2025年年度神奈川ブロック協議会 意見書
会長 大黒 健司
【はじめに】
我々の住み暮らす神奈川県は開国以来、世界との窓口として横浜を中心に経済圏が確立され、今日では県内総生産は35兆円超とチリやフィンランドといった一国の国内総生産と匹敵するまでに至っております。また、経済面のみならず県内には色とりどりの自然環境があり、みどり豊かな山並や美しい渚が各所で見受けられます。その他にも歴史的な建造物や観光名所も多岐に渡り、経済と自然、文化が調和する類まれな地域です。しかし、そんな恵まれた神奈川県においても少子高齢化・人口減少の流れを止めることは出来ず、統計開始以降2021年に減少へ転じてから同様の傾向が続き、人口減少の局面に立たされており今までの社会の仕組みや経済基盤のままでは、今までの暮らし方を維持することが困難になることを示唆しています。これは青年会議所の運動にもまさに同じことが言えるのではないでしょうか。神奈川県内のメンバー数は2024年の期首人数が974名と1,000名を割り込む形でスタートしました。過去と同じ仕組みでは今まで以上の運動を発信することが困難であることは明白であり、時代の変化に対応し将来を見据えた仕組みを構築していくことが急務であることは間違いありません。
青年会議所はいかなる時も地域の先頭に立ち、積極的に地域の課題解決や次代を担う人財を育成してまいりました。その運動の基盤は人であり、言うなれば人と人との繋がりです。今日の青年会議所は創始より先輩諸兄姉と今を担うメンバーが培ってきた運動が信頼という形で地域との連携を強固なものにし、そこに住まう人々との関係を密なものとし地域や県民に能動的な意識変革を促してまいりました。この繋がりを更に強化していくことこそ、青年会議所の運動そのものの昇華に他ならないのです。
私が青年会議所に入会した2010年と現在では社会も青年会議所も大きく変わってきています。しかし、どんなに時を経ても変わらずに紡がれている本質や存在意義は創始より不変なものであり、この先も受け継がれていくことでしょう。本年は変わるべきものと不変であるべきものを見定め、時代に即した神奈川ブロック協議会の組織運営や事業の改革と、各地会員会議所との連携を強化することで、神奈川ブロック協議会と各地会員会議所が地域を笑顔に溢れる未来へ導く羅針盤となれるよう運動を推進してまいります。
【21の輝きで神奈川が煌めく】
神奈川ブロック協議会の存在意義は各地会員会議所の発展に寄与することです。そして、神奈川県内には21の青年会議所が存在し、経済面で牽引する地域や自然が調和する地域、伝統や文化が賑わいを生み出す地域といった各地域によって特色があり、課題に取り組む手法や考え方は様々です。
本年は各地会員会議所の連携として、会長公式訪問を同じ地域課題や組織の課題を抱える会員会議所同士で開催することで、それぞれの課題の解決に結び付く情報や手法を共有し、新しい価値観や視座を高めてまいります。また、日本青年会議所や関東地区協議会の事業や運動を効率的なツールを利用し発信することで、必要な情報が見過ごされることなく確実に機会の提供が可能となります。これは災害時におけるネットワークにも通じる点であり、三浦半島断層群や一級河川、湘南地域を中心とした多くの海岸を抱える神奈川にとって重要な連携でもあります。そして、県内の横の連携のみならず、本年度から次年度へといった引継ぎの面でも不安視される会員会議所もあり、2026年度の予定者段階のうちに次代を担う人財育成に特化したカリキュラムに触れることで、よりスムーズな次年度のスタートが出来ると考えます。
連絡調整機関である神奈川ブロック協議会の使命を果たすことは各地会員会議所の課題解決に繋がる情報量を増やし、各地域が課題への取り組みの選択肢が増え、より効果的に地域を輝かせる原動力となり神奈川を煌めかせてくれます。
【繋がりから生まれる新しい価値観】
青年会議所の最大の強みは繋がりです。私は青年会議所に入会して15年、出向を通して様々な職種や考え方を持つメンバーと繋がってまいりました。人は人で磨かれるように、出会った多くの人に刺激を受けたことで成長し、今ではその一つひとつが財産となりました。
本年は同じ志や悩みを抱える仲間、違う角度の視点や考え方を持つ仲間等、様々な横の繋がりを最大限に生かした交流の機会を創出することでJAYCEEとしての成長のきっかけを促してまいります。また、神奈川のスケールメリットを活かし、青年経済人同士の交流会やビジネスマッチング形式で機会を提供することで、社業や自身の発展は勿論、青年会議所活動に興味を持っていただく機会を創出します。そして、昨年度取り組ませていただいた各地会員会議所の事業への神奈川ブロック協議会役員の参画も継続することで、繋がりが課題を解決する一助になると考えます。
この繋がりは、青年会議所活動の意欲や未来のまだ見ぬ仲間との出会いを創出し、人と人で成長し合い、自身の人生においての豊かさや価値観を拡げてくれます。その結果、周囲の人や地域に目が届くようになり、地域を発展させ更に新しい繋がりを構築するという、人の成長が地域を良くしその輪が拡がり新たな人財を作る好循環が生まれるのです。
【人を巻き込む魅力】
会員拡大とは青年会議所が創始より続けてきた運動です。会員数が増えれば、それだけ意識の変革を促す県民が増えることになるとともに、数は力という発信力の強さにも繋がってまいります。
本年は会員拡大の基盤と言えるオブザーバー数の増加に注力いたします。なぜなら我々青年会議所の使命は成長の機会を与えるとあり、その使命を果たすためにもより多くの方にきっかけを作ることで入会に結び付く可能性を拡げると共に、オブザーブすることで青年会議所活動に触れる機会となり、各地会員会議所の未来の会員拡大の基盤が創出されるのです。また、魅力的な事業やメンバーに人が集まることに着目することで、近年行っている逆出向制度を各地会員会議所の事業構築やオブザーバーのクロージングの精度向上に集約します。そして、日々の情報発信においても画一的な発信ではなく、誰に何を届けたいのかを念頭に置き魅力ある各地会員会議所の事業やメンバーを発信することで、自然とその魅力に惹かれる人達を増やし自然と伝播されていく仕組みを構築します。
我々が誇りを持ち自信を持って活動しているこの青年会議所には数多くの魅力があることは言うまでも無く、それを県内に余すことなく伝播することは未来の青年会議所の基盤を整えてくれます。そして、魅力を伝播する私たち自身がその魅力を再認識する機会となり、青年会議所運動に対して真摯に向き合いながら青年会議所の使命を果たしてまいります。
【次代を担う人財育成】
人の成長は地域の成長でもあり、未来への贈り物です。2024年に開催された「かながわアカデミー2024」で、濃縮された時間の中で大きな学びを得てその後の各地会員会議所の発展に寄与いたしました。
本年は更なる進化を求めて「かながわアカデミー2025」を開催します。アカデミー生にはメンバーを惹きつける魅力に溢れ未来を見出せるリーダーへと育成すると共に、アカデミー生同士で築かれた繋がりが財産として自身の活動に寄与できると考えます。また、開催地の青年会議所とは主 催・主管といった形式をとることで、アカデミー生の成長のみの事業に留まらず、主管青年会議所が本事業で培った経験が運営面の向上に繋がるとともに、アカデミー生に対して自身の地域の魅力を発信することが出来る多方面に運動を展開できる事業へと昇華してまいります。そして、2006年より開催されている「かながわハイスクール議会」においては時代に即した未来の形を見据え、新しい運動の輪が拡がる礎を構築することが必要です。
今日、社会も青年会議所も大きく変動しており、10年一昔どころか1年もあれば大きく様変わりする時代の中、その変化に対応し、未来を見出し導いてくれるリーダーが必要不可欠であり、そうしたリーダーが数多く生まれることで地域の歩むべき道を照らしてくれることになるでしょう。
【5益がもたらす羨望される大会の構築】
本年は第53回神奈川ブロック大会厚木大会が公益社団法人厚木青年会議所の主管のもと、厚木市・愛川町・清川村という活動エリアの3市町村と連携を図り開催されます。神奈川ブロック協議会最大の運動発信の場と位置付けており、その規模は年間事業の中でも随一を誇ります。規模の大きさは意識変革をもたらす母体数に直結し参加するだけでなく参画する方々を数多く巻き込むことが必要と言えます。大会がもたらす5益とは、主管益・主催益・参加者益・地域益・社会益であり、このどれか一つでも欠けてしまえば大会の成功とは言い難く、主管青年会議所とその地域にしっかりと目を向けるとともに神奈川ブロック協議会の運動を最大限発信できる大会を構築してまいります。
また、その大会を構築するにあたってのプロセスで得た経験は、個々の成長のみならず主管青年会議所の発展に寄与されます。この主管益を各地会員会議所に伝えることも神奈川ブロック協議会の責務であると考えます。しかし、主管を立候補することは大変勇気のいることです。そこで日本青年会議所が全国大会の規定が改定されたことが記憶に新しい今、神奈川ブロック協議会として主管立候補の後押しができるような改革にも着手してまいります。
大会がもたらす5益は未来へと続く軌跡であり、特に主管益は地域と青年会議所、携わった全ての人たちを笑顔にしてくれます。神奈川ブロック協議会として最大の運動の発信の場として全精力を賭して笑顔が溢れ羨望される大会を構築いたします。
【運動と運営という組織の片輪を遂行】
公益法人格を持つ神奈川ブロック協議会はメンバーの会費によって運営されており、厳密なコンプライアンスの徹底は不可欠です。費用対効果のみならず、各地会員会議所並びにメンバーにとって有意義なものであるかが重要視されます。
本年は財政審査会議において従来以上に負託と信頼を寄せることで、会議の重要性は元より徹底的な財政処理と毅然とした会議運営に努めてまいります。また、2024年5月に公益法人の規制が緩和される改正公益法人法が設立され、これにより各事業においての外部資金導入を積極的に行うことで、メンバー数の増減に関わらず、資金面でも持続可能な組織を目指せます。そして、運営の一環として各種大会やASPAC、世界会議等の魅力を神奈川ブロック協議会が明解に発信することで、参画意識の向上に繋げるとともに、ブース出展等を用いた当事者意識の醸成を育んだうえで、改めて青年会議所が国際的にも全国的にもネットワークが構築され、同じ理念と志を抱いている仲間が全国・世界に存在していることを伝播してまいります。
神奈川ブロック協議会の運営は、各地会員会議所からの会費から賄われている事を改めて念頭に置き、その思いに応えるべく運動の発信のみならず組織としても模範となる運営を確立することで歩み続けることが出来ます。
【むすびに】
私が大切にしている言葉の中に「恩送り」というものがあります
2010年、当時社会人として右も左もわからないままに青年会議所の門を叩きました。そんな若輩者の私に懇切丁寧に青年経済人として、一人のJAYCEEとして数多くのご指導を賜りました。その過程の中で、数えきれないほどの恩を、先輩諸兄姉や仲間、地域からいただいてまいりました。このいただいた恩に報いるためには、次代の仲間や地域のために今自身に与えられた責務を精一杯全うすることだと信じております。
そして、この「恩送り」の精神こそ、青年会議所の創始より紡がれてきた想いに他ならないと感じております
いつの時代も青年会議所は、今日より明日が、現在より未来がより良くなることをめざして運動の歩みを止めることはありませんでした
川は流れているから美しく、とまってしまえば澱んで濁る
JCしかないと言われた時代から、JCもあると言われる時代へと移り変わり、今はJCがやらなければ変わらない時代となってまいりました
今を生きる同じ青年会議所のメンバーとして、人と地域が進むべき未来への羅針盤となるべく、共に歩み続けようではありませんか
21の繋がりが創る輝く神奈川をめざして
2025年度神奈川ブロック協議会 基本理念
未来(あす)への羅針盤
~21の繋がりが創る輝く神奈川~
1.繋がりから生まれる輝く地域の実現
2.LOMに寄り添った支援の充実
3.人を巻き込む魅力を発信する仕組みの構築
4.未来を見出し導く人財の育成
5.最大の運動発信による羨望される場の創出
6.運動と運営という組織の二輪を遂行
委員長
戸田 樹
(所属:一般社団法人藤沢青年会議所)
1.メンバー同士が交流を図り繋がりが構築できる企画・実施(通年)
2.オブザーバーがLOMやメンバーと繋がりが構築できる企画・実施(通年)
3.神奈川ブロック大会厚木大会で事業の実施(9月)
4.JCI ASPACモンゴル大会の参加登録サポート(通年)
5.関東地区大会桐生大会の参加登録サポート(通年)
6.サマーコンファレンス2025の参加登録サポート(通年)
7.全国大会佐賀大会の参加登録サポート(通年)
8.JCI World Congress チュニス大会の参加登録サポート(通年)
9.県内会員会議所の発展に寄与するアワードの企画・実施
10.JCI・日本⻘年会議所・関東地区協議会への褒賞エントリーサポートの実施(通年)
11.各会議・局・委員会事業への協力並びにLOMサポートの実施(通年)
12.理念共感拡大グランドデザインの検証
委員長 大井 駿平
(所属:公益社団法人相模原青年会議所)
1.かながわアカデミー2025の企画・運営・実施(6 月)
2.かながわハイスクール議会 2025の企画・運営・実施(8 月)
3.県内総合学習の取り組みに対するアワードの企画・実施(8 月)
4.神奈川ブロック大会厚木大会で事業の実施(9 月)
5.神奈川県知事との政策懇話会の実施
6.各会議・局・委員会事業への協力並びに LOM サポートの実施(通年)
7.ブロックアカデミーにおけるJAYCEE育成カリキュラムの運用
委員長 松下 健太郎
(所属:伊勢原青年会議所)
1.神奈川ブロック協議会主催事業及び各地青年会議所事業の情報発信(通年)
2.メディアとの窓口・発信管理(通年)
3.神奈川県ケーブルテレビ協議会との懇話会の実施(8月)
4.神奈川ブロック役員逆出向の実施(通年)
5.会員拡大に関するLOMサポート(通年)
6.県内各地青年会議所の事業訪問の実施(通年)
7.神奈川ブロック大会厚木大会で事業の実施(9月)
8.各会議・局・委員会事業への協力並びにLOMサポートの実施(通年)
9.各地域における課題と質の高い運動の調査・発掘・研究
10.地域に眠る活用しきれていない資源の調査・発掘・研究
委員長 舩津 憲幸
(所属:公益社団法人茅ヶ崎青年会議所)
1. 神奈川ブロック大会厚木大会の企画・運営・実施(9月)
2. 神奈川ブロック大会厚木大会で事業の実施(9月)
3. 神奈川ブロック大会厚木大会式典の実施(9月)
4. 神奈川ブロック大会 2026年度主管 LOM との連携及び現地調査・対話集会・意見交換会の実施 (通年)
5. 神奈川ブロック大会 2027年度主管 LOM のエントリー受付及び現地調査・対話集会の実施 (通年)
6. 各会議・局・委員会事業への協力並びに LOM サポートの実施(通年)
[014] (一社)横浜青年会議所
[022] (一社)川崎青年会議所
[030] (公社)横須賀青年会議所
[139] (公社)小田原青年会議所
[164] (公社)平塚青年会議所
[231] (公社)三浦青年会議所
[233] (公社)秦野青年会議所
[264] (一社)逗子葉山青年会議所
[305] (公社)鎌倉青年会議所
[316] (公社)相模原青年会議所
[335] (一社)藤沢青年会議所
[404] (公社)茅ヶ崎青年会議所
[417] (公社)厚木青年会議所
[563] (一社)寒川青年会議所
[646] 伊勢原青年会議所
[652] (一社)大和青年会議所
[660] (一社)座間青年会議所
[667] (一社)綾瀬青年会議所
[682] (公社)海老名青年会議所
[703] (公社)津久井青年会議所
[729] (一社)あしがら青年会議所
〒238-0013
神奈川県横須賀市平成町2丁目14−4
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