「タイパ（タイムパフォーマンス）」という言葉が世間に広く認知され、ショート動画や短編小説といった、
すぐに結果がわかるものや、短時間で満足感が得られるものが選ばれやすい時代となりました。変化
が激しく、情報過多の今の時代、それは一定の理があるとも言えます。しかしながら、すぐに結果が出
にくい不確実な挑戦に全力でコミットし、多数の困難と対峙し、未来を切り開くその姿勢にこそ、真の価
値があると、私は心から信じています。世界を大きく変えてきたプロダクトや偉業も、果てしないチャレン
ジと費やした時間からこそ生まれていることは明白です。この所信を見てくださっている同志の方々にお
きましても、共感していただける何かしらの経験があるのではないでしょうか。
青年会議所もまた、入会してすぐにその価値を感じやすい組織ではないかもしれません。もしかすると、
会員数の減少との相関関係が少なからずあると考えます。その状況にも関わらず、「ビジネスにすぐ繋
がるから短期間で元が取れる」「月に 2 回、例会と委員会に出席するだけでいいから」そのような誘い
文句で会員拡大をしてしまっていないでしょうか。「入会する前に聞いていた話と違った。」と、いうような
声を、少なくない数聞いてきましたし、私もその 1 人でした。決してタイパの良い組織とは言えない青年
会議所に入会した当初は、疑問や不安、そして不満など、様々な感情を抱いておりました。しかし、青
年会議所での活動を通じて、多くの成長や素晴らしい出会いを得ることができ、今では入会して本当に
良かったと感じています。私は青年会議所に加入することで、必要となる時間やお金を候補者へ丁寧
に共有した上で、それに勝るメリットを、自信を持って伝える必要があると考えます。そして、私たちが住
み暮らす大切な地域のために、私たち青年会議所がどのような背景と目的で、どのような事業を実現し
ているか。そして、その過程で多くの出会いと成長を得てきたことを伝えましょう。それこそが真の共感
拡大であるはずです。
タイパが重視される現代だからこそ、長期間的な視点で挑戦を続け、その姿勢を発信し続けることが、
私たち青年会議所が広島県の未来に貢献する大きな一歩となります。全 12LOM が仲間と理念を共有
し、持続的な成長を実現するためにも、会員拡大運動の本質に真正面から向き合っていきましょう。そ
して、「JC に入ってよかった」と心からそう想える同志を、この広島県内に 1 人でも多く増やしてまいりま
しょう。